自動車整備士が教えるR35 GTR バッテリー交換 徹底解説

R35 GTR

はじめに

バッテリーは製造メーカー毎に製品保証がありますが、その保証期間よりも早くバッテリー上がりなどのトラブルになることがあります。

経年劣化により出先でバッテリー上がりに陥ってしまうと当日の予定が狂うだけでなく、レッカー対応などの余分な費用が発生します。それらのリスクを回避する為にも、バッテリーは不具合に陥る前に予防整備として早期の交換をお勧めします。

そこで今回はバッテリー交換方法についてNISSAN R35 GTRを用いて徹底解説します。バッテリー交換作業の基本的な流れはほぼどの車種でも同じですので参考になれば幸いです。

また、今回はバッテリー交換作業に併せてバッテリーケーブルやヒュージブルリンクホルダーなどの周辺部品も同時にリフレッシュしましたので併せて紹介します。

車両情報

・車名:ニッサン
・車台番号:R35-******
・型式:CBA-R35
・原動機の型式:VR38
・総排気量又は定格出力:3.79L
・初度登録年月:2009年(平成21年)12月

購入部品

今回準備したバッテリーはPanasonic caos(カオス)Blue Battery 80B24Lです。この製品は日本製で製品保証は3年です。

Panasonicパナソニックバッテリーカオス自動車用バッテリー N-80B24L/C7 標準車(充電制御車)用
Generic

なお、今回交換したC7よりもさらに新しい製品も発売されておりますのでこちらもお勧めです。

また、バッテリーと同時交換でリフレッシュする部品は以下の通りです。

24080-JF00A CABLE BATTERY

24345-7993A COVER-CONNECTOR

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24340-7F002 CONNECTOR ASSY

01221-00381 NUT RETAINER

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ヒュージブルリンクホルダー

使用工具一覧

今回はこれらの工具を使用して作業しております。個々の説明は作業紹介の中で順に解説します。

作業紹介

エンジンルームカバー・カウルトップカバー取り外し

バッテリーコネクターカバーを取り外すと今回交換するバッテリーがこの位置に鎮座しています。

バッテリー交換作業の際はこの三角形のエンジンルームカバーとカウルトップカバーを取り外す必要があります。

トリムクリップを取り外します。取り外しにはKTCのAP20-10を使用します。

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6箇所のトリムクリップを取り外します。

なお、トリムクリップを取り外す際に経年劣化で割れてしまった場合は新品に交換しましょう。

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指で引っ張りながらウェザーストリップを取り外します。

“CLIP BEHIND”と刻印された部分に隠れているゲジゲジクリップを取り外します。

三角形のエンジンルームカバーを取り外します。その際に赤いカバーコネクターの上部にあるカウルトップシールASSYのクリップをマイナスドライバーを2本使用して左右から爪部分を押して上に引き抜きます。爪を折らないように慎重に作業しましょう。

三角形のエンジンルームカバーは完全に取り外さずにめくった状態でエンジンの上に置いておくと楽に作業ができます。

三角形のエンジンルームカバーの下にあるトリムクリップを取り外します。

カウルトップカバーを固定しているトリムクリップがカウルトップシールASSYの下にもありますので忘れずに取り外します。

カウルトップカバーを取り外します。

また、この作業をする際には高確率でウィンドウウォッシャーチューブの三又が破損しますので併せて交換することをオススメします。

交換方法についてはこちらのリンク先をご覧ください。

なお、バッテリー交換作業のみの場合はワイパーアームは取り外す必要はありません。

バッテリー取り外し

バッテリークランプ(フィクシングバッテリーバー)を固定しているナットを緩めます。取り外しにはディープソケットの10mmを使用します。

取り外した後のバッテリークランプはこのような形状をしています。

バッテリーのマイナスターミナルを取り外します。取り外しには10mmのギアレンチを使用します。

同様にバッテリーのプラスターミナルを取り外します。

バッテリーを上方向に引き抜き車両から取り出します。なお、バッテリー交換作業のついでに汚れたバッテリートレイも清掃してから組み付けましょう。

バッテリーアースケーブル交換

今回はついで作業として劣化したバッテリーアースケーブルも交換します。

取り外しには腕の長さの長いラチェットレンチを使用してバッテリーアースケーブル固定ボルトを2本緩めます。

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新旧比較したバッテリーアースケーブルの写真が以下です。交換前のケーブルはバッテリーターミナル部分の錆も経年劣化でひどくなっています。

取り外しと逆の手順でしっかりとボディに固定します。

ヒュージブルリンクホルダー交換

次にヒュージブルリンクホルダーを交換します。こちらも経年劣化で腐食が酷くなっていましたので今回新調しています。

ヒュージブルリンクホルダーの固定ナット2個の取り外しはバッテリーターミナル固定ナットを緩めてしまってからではなかなか緩めることが困難ですのでその際は電動インパクトレンチで固定ボルトを緩めましょう。

緩めた後の写真が以下です。

コネクターアッシーを取り外します。

ヒュージブルリンクホルダーに刺さっているコネクター2個を引き抜き新しいヒュージブルリンクホルダーに交換します。新旧を比較した写真が以下です。

ヒュージブルリンクホルダーに新しいコネクターASSYも取り付けます。

プラス側&マイナス側のバッテリーコネクターターミナルを交換した後の写真が以下です。

バッテリー交換

新しいバッテリーを車両に投入します。

取り付けは取り外しと逆の手順になります。

なお、バッテリーターミナルの固定ナットの締め付けトルク値は5N・mです。テルクだといくらでも締まっていきますので、必ずトルクレンチで作業してトルク管理をしましょう。

赤いカバーコネクターを忘れずに新品へ交換しておきましょう。

ウィンドウウォッシャーチューブ暫定修理

なお、今回は事前にウィンドウウォッシャーチューブの新品を準備していませんでしたので応急処置としてT型ホース継手(4mm)を使用して三又部分を修理します。

エンジンルーム内の熱害によって粉々になっていたウィンドウウォッシャーチューブのかけらを除去して接続します。

チューブが破れないように慎重に奥まで差し込みます。

抜けないように念の為、タイラップで固定しています。

エンジンルームカバーを取り付けて組み付け作業は完了です。

作業が終わりましたら故障診断機を使用してTAS学習等をしておきましょう。

最後に

バッテリー交換は個人的にも車検毎に実施しても良い作業だと思います。最近の車両であればアイドリングストップ機能や、コンピュータ制御のオンパレードですので定期的な交換サイクルを確立しましょう。

最後に使用した工具のメンテナンスをすれば作業は完了です。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら



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