自動車整備士が教える出発前の5分間で出来る日常点検 徹底解説

車検整備

はじめに

実はあまり知られていないかもしれませんが、点検整備に関する法律での位置づけは、自動車の安全等に関する保守管理責任は、ユーザーにあること(自己管理責任)と道路運送車両法において定められています。 車検制度は、車検に合格しても有効期間内の無故障を保証しているものではありませんので、ユーザーは日常的なチェックを怠ることなく、自動車の安全の確保、公害の防止に努める必要があります。家族旅行に出掛ける前や高速道路を走る前の5分間で出来る日常点検のやり方について写真を交えて徹底解説します。是非最後までご覧ください。



準備するもの

必要な工具類はLEDライトとペーパーウエスのみです。オススメのLEDライトは以下の商品のようなライトの先端が薄いCOB WORK LIGHTです。サブタンクやリザーバータンクの裏面や側面にライトを差し込むことでタンク内部の量の確認が容易にできます。詳しくは作業紹介の中で解説します。

また、オススメのペーパーウエスはSCOTTのショップタオルです。厚みもあり丈夫で、紙製なので油汚れ、ペイント汚れの拭き取り後は使い捨てが出来て非常に便利です。一度使うとやめられません。私はずっと愛用しています。



作業紹介(点検方法解説)

それぞれの点検方法について徹底的に解説していきます。

エンジンオイル量、汚れ具合(色)

エンジンオイルレベルゲージを引き抜き、ショップタオルやペーパーウエス等で付着したエンジンオイルを拭い、再度エンジンオイルレベルゲージを戻してから再度引き抜きレベルゲージに付着したオイル量を確認します。

黄色の部品がオイルレベルゲージです

エンジンオイル量が”HighレベルからLowレベルの間に入っていること”を点検します。オイル量を確認する際は車両が水平状態になっている場所で行いましょう。一般的にHighレベルからLowレベルまでは約1Lとなっています。汚れ具合(色)については明らかに黒くなければ問題はないと思います。

万が一、エンジンオイルが不足していましたらエンジンオイルを補充します。使用されているエンジンオイルの粘度(0W-20等)については車両の取り扱い説明書に記載されています。

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一般的な目安として1,000kmで1.0L以上オイルを消費していた場合は”エンジンオーバーホールが必要”です。



パワステフルード量

エンジン停止状態でパワステフルード量が”MAX〜MINの範囲に入っていること”を点検します。油温別にMAX〜MINの範囲が分かれている車種の場合は油温別にフルード量を点検します。

参考までにNISSAN S15 シルビアの場合では、HOT条件とCOLD条件は以下の通りとなります。

・HOT :油温50℃〜80℃
・COLD:油温計0℃〜30℃

タンクが汚れていたり色褪せたりしていると残量が分かりにくいです。COB WORK LIGHTを裏面や側面に当てながら点検するとタンク内の残量が確認し易いです。

万が一、不足していた場合は新品のパワステフルードを補充します。

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ブレーキフルード量

ブレーキフルード量が”MAX〜MINの範囲に入っていること”を点検します。ちなみに、ブレーキフルードの量は、ブレーキパッドが摩耗してくるとピストンの出代が増えてブレーキフルードがキャリパー内に多くたまるためリザーバータンクの液面が下がってきます。つまり、ブレーキフルードの量でブレーキパッドの摩耗量がある程度把握できます。

タンクが真っ白でブレーキフルードが新しければ新しいほど無色透明なため液量確認が困難になります。同様にCOB WORK LIGHTを使用すると残量確認が容易にできます。

万が一、不足していた場合は新品のブレーキフルードを補充します。

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冷却水(LLC:ロングライフクーラント)量

冷却水量がリザーバータンクの”MAX〜MINの範囲に入っていること”を点検します。

同様にCOB WORK LIGHTを使用すると残量確認が容易にできます。

万が一、不足していた場合はLLCや精製水を補充します。

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ウォッシャータンク量

タンク内のウォッシャー液の量を点検します。NISSAN S15 シルビアの場合は黄色のキャップの中央にある空気穴を指で押さえながらキャップを外し、チューブを引き抜くと液量の確認ができます。

減っていた場合はウォッシャー液を補充します。



クラッチフルード量

乗っている車両がマニュアル車の場合は、クラッチフルード量の点検も行います。クラッチフルード量が”MAX〜MINの範囲に入っていること”を点検します。

万が一、不足していた場合は”ブレーキフルード”を補充します。



最後に

日常点検をこまめに実施することで出先で車が故障することを未然に防ぐことができます。

家族旅行中に車が故障してしまうと旅行自体が嫌な思い出に変わってしまいますので、出発前に点検することを強くお勧めします!





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