はじめに
インターネットの普及により有益な情報が一昔前よりは簡単に入手できるようになりました。しかしながら、欲しい情報の核心的な部分は公開されていない事も多く、肝心な部分が分からない事もよくあります。
国産車は日本自動車整備振興会連合会が会員向けに提供しているFAINES(ファイネス)やオーナー自らが正規ディーラーで購入や問い合わせすることで、整備要領書が確認出来ますが、一般ユーザーにとってはなかなか馴染みが無く、読み取り方法も独特で理解しづらいと思います。
そこで今回は、オイルプレッシャースイッチ(部品名称:SW OIL PRESSURE)からのオイル漏れ修理について日産 C33 ローレルを用いて徹底的に解説します。オイルプレッシャースイッチ以外にもセンサーからのオイル漏れ等にも応用ができます。
同じ車種をお乗りのオーナーはもちろん、他車にお乗りのオーナーにとっても有料級の情報になると思います。この記事をご覧になりご自身でオイル漏れ修理に挑戦される方が一人でも増えれば幸いです。
また、修理の際に必要となる”エンジンオイル交換作業”についても知りたい!という方はこちらの記事も併せてご覧ください。
車両情報
・車名:ニッサン
・車台番号:HC33-******
・型式:E-HC33
・原動機の型式:RB20
・総排気量又は定格出力:1.99L
・初度登録年月:1990年(平成2年)1月
現状把握(エンジンオイル漏れ発生源の確認)
C33 ローレルはエンジンルーム内にスペースがあり、エンジン周辺の点検が容易にできます。点検中に今回のエンジンオイル漏れを発見しました。漏れ箇所の写真は以下の通りです。
エンジンオイルや冷却水などの液体の漏れの発生源を探すポイントは”上に上に辿ること”です。今回のケースであればオイル漏れ箇所の上部に”オイルプレッシャースイッチ”があり、そこからの漏れが一番に疑われます。
角度を変えて車両の下側から点検してみると、オイルプレッシャースイッチの下側にオイル溜まりがあることが分かりました。どうやらこのオイルプレッシャースイッチ(センサー)からオイルが漏れているようです。
購入部品
今回はエンジンオイル漏れの主要因であるオイルプレッシャースイッチの購入以外にもエンジンオイル、オイルフィルター、ガスケット、ポイパック、シールテープを準備しました。
・NISSAN GENUINE PARTS
・部品名称:SW OIL PRESSURE
・部品番号:25240-8996E
作業紹介
作業スペースの確保
2柱リフトやフロアジャッキ&馬等を使用し、車両をリフトアップします。フロアジャッキ&馬を使用したジャッキアップについてはこちらの記事をご覧ください。安全なジャッキアップ方法について解説しています。
また年式が古い車両をリフトアップする場合は、ジャッキアップポイントではなくサスペンションメンバー等の強固な部位でリフトアップすると車体へのダメージが少なく、より安心です。
エンジンオイル排出
オイルプレッシャースイッチを交換する場合はエンジンオイルの排出が必須です。ドレンボルトを二面幅14mmのメガネレンチ等を使用して緩めます。エンジンオイルが高温の場合はマグネットオイルドレンボルトツールを使用すると手が汚れず、安心・安全に作業ができます。
エンジンオイルフィルターもフィルターレンチ等を使用して取り外します。
オイルプレッシャースイッチ取り外し
オイルプレッシャースイッチのコネクターの取り外しはコネクターカバーを手前に引き抜き、ずらした状態でコネクターの抜け防止の爪を押し込みながら引き抜けば簡単に外せます。
コネクターが外せた状態のオイルプレッシャースイッチが下の写真です。
二面幅27mmのディープソケットを使用してオイルプレッシャースイッチを緩めて取り外します。
オイルプレッシャースイッチ新旧比較
取り外したオイルプレッシャースイッチが右側、新品が左側です。なんと、取り外したオイルプレッシャースイッチの二面幅は27mmでしたが、新品の二面幅は26mmでした。27mmのディープソケットを使用して新品のオイルプレッシャースイッチを締め付けようとしても締まらないので注意が必要です。
この形状のオイルプレッシャースイッチやセンサーからのオイル漏れはテーパーのネジ部からの漏れよりも、取り付け用の二面幅とコネクターの結合部との隙間からのオイル漏れが多いです。よって、シールテープを交換してネジ部だけを対処しても修理が完結しないことが多いです。
オイルプレッシャースイッチ取り付け
オイルプレッシャースイッチの取付はネジ部分にシールテープを巻き、車両側の取付面を清掃した後に取り付けます。シールテープには向きがありますので注意が必要です。右ネジで締め込んでも緩んでいかない方向に巻くことが大切です。またシールテープの幅方向の余分なテープはオイルの通路に悪影響を与えますので、カットしましょう。
新しいオイルプレッシャースイッチの取付は二面幅が26mmのディープソケットを使用して取り付けます。テーパー形状ですので締めすぎるとエンジン側が破損しますので、締めすぎに注意です。
オイルプレッシャースイッチハーネスを復元します。
エンジンオイル汚れ清掃
修理後のオイル漏れ再発と区別するために、オイル汚れを徹底的に清掃します。清掃にはパーツクリーナーがオススメです。
エンジンオイル注入
エンジンオイルを規定値まで注入します。フィラーキャップを閉めて、オイルレベルゲージを戻し、エンジンを掛け、オイルを回した後に滴下するの待ち、オイル量をオイルレベルゲージで確認します。少なすぎればさらに補充してレベルゲージの上限に合わせれば作業完了です。
工具紹介
オイルプレッシャースイッチの交換にはneprosの12.7sq.ロングラチェットハンドル NBR490Lを使用しました。狭いエンジンルーム内でも送り角:4°(90枚ギア)で楽々と緩めることができます。
最後に
いかがだったでしょうか。今回の不具合は意外な場所からのオイル漏れであり主要因に気付かなければなかなか完治できない不具合かと思います。オイルプレッシャスイッチやセンサー本体からもオイルは漏れると知っているだけでも今後役に立つかもしれません。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら
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