自動車整備士が教えるMINI クロスオーバー R60 内装取り外し方法 徹底解説

Crossover R60

はじめに

MINI CROSSOVER(ミニ クロスオーバー) R60は独創的な内装デザインで今でもなおたくさんのオーナー様に愛されている車種です。

しかしながら、R60はナビゲーションを取り付けるための2DINスペースが元々設定されておらず、社外のナビゲーションを取り付けるには少しハードルが高く、オーナーの多くを悩ませています。

私のMINI CROSSOVER R60は納車時からKanatechsのCAN-Busインターフェース GE-XA02、1DIN用カーAVトレードインキット GE-BM109G、2DIN用カーAVアタッチメントキット GE-BM206を使用し、Pioneer製の社外ナビ AVIC-CZ900を取り付けていました。

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しかし今回、さらに画面の大きいALPINE製のBIG X XF11NXを入手しましたので、このナビへ取り替えていくにあたり、内装部品の取り外しが必要となりますので内装部品の取り外し方法について徹底解説します。

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なお、国産車は日本自動車整備振興会連合会が会員向けに提供しているFAINES(ファイネス)やオーナー自らが正規ディーラーで購入や問い合わせすることで、整備要領書が確認出来ますが、欧州車などの輸入車になると途端に開示されている情報が減ってしまいます。そこで今回はドイツ車であるBMW MINIの内装部品の取り外し方法についてDBA-ZC16 CROSSOVER R60を用いて徹底的に解説します。

同じ車種をお乗りのオーナーはもちろん、この世代のBMW MINIにお乗りのオーナーにとっても有料級の情報になると思います。この記事をご覧になりご自身で内装部品の取り外しに挑戦される方が一人でも増えれば幸いです。



車両情報

・車名:BMW
・車台番号:WMWZC32080WN*****
・型式:DBA-ZC16
・原動機の型式:N18B16A
・総排気量又は定格出力:1.59L
・ボディカラー:ライトホワイト(B15)
・モデルイヤー:前期2011年1月〜2014年8月
・初度登録年月:2013年(平成25年)3月18日

使用工具紹介

今回の内装取り外し作業で使用した工具は以下の写真の通りです。工具の詳細については作業紹介の中で順に解説します。

作業紹介

シフトノブ干渉防止対策

シフトノブがP(パーキング)の位置のまま作業してしまうと、シフトノブが干渉してセンターパネルが取り外せませんので、事前にシフトノブ をN(ニュートラル)の位置にした状態でエンジンを切ります。

シフトノブがあるとセンターパネルが取り外せません

なお、Nの位置にした状態でエンジンを切った場合は、NからD(ドライブ)への移行は可能ですが、P以外の位置ではキーがハンドルアンダーカバーから抜けない仕様になっており、また、エンジンを切った際に警告灯が点灯し、シフトノブをPに入れてしまうとシフトロックが掛かりエンジンを始動しないとシフト動作ができません。

よって、ナビの交換作業はシフトノブはNの位置で行い、抜けなくなったキーは刺した状態のままハンドルアンダーカバーを取り外します。

センサー取り外し

グリルカバーに設定されているセンサーを取り外します。

センサー部分を拡大した写真が以下です。

先端を丸く削ったマイナスドライバーを使いセンサーの左右から少しずつセンサーを上方向に持ち上げて取り外します。センサーのカバーが外れてしまう場合がありますが、気にせずそのままセンサー本体側を持ち上げていきます。

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グリルカバーから取り外したセンサーの写真が以下です。

センサーのコネクターを指で引っ張って取り外します。なお、コネクターに爪の設定はありません。

グリルカバー取り外し

グリルカバーを取り外します。グリルカバーを固定しているトルクスネジT20 1本を工具を使用して取り外します。

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なお、このネジは緩めた際に内部に落としてしまうと厄介ですのでマグネットタイプのピックアップツールを使用して落ちないように作業しましょう。

ネジが外せましたらグリルカバーを手で持ち上方向に持ち上げて中央部の鉄クリップを取り外し、そこから車両後方に引っ張って取り外します。

メーターカバー取り外し

メーターカバーを取り外します。

メーターカバーは上部二ヶ所に設定されている鉄クリップが非常に硬いのでメーターカバーの左右の小さな丸部分とメーターカバーの下部を先に浮かせた状態で上部二ヶ所の鉄クリップを外すと部品を壊さずに取り外せます。

メーターカバーが取り外せましたらハザードスイッチのコネクターを手で引き抜いて取り外します。こちらのコネクターにも爪は設定させれていません。

メーターカバーを取り外した後の状態は以下の通りです。

また、取り外したメーターカバーの裏面の状態は以下の写真の通りです。

サイドカバー左取り外し

サイドカバー左を取り外します。

左側のウェザーストリップを指で摘んで少し浮かせます。グローブボックスを開けてサイドカバーを手で持ち、車両後方に引っ張れば簡単にサイドカバーが外せます。

アンダーカバー取り外し

グローブボックスの下にあるアンダーカバーを取り外します。

アンダーカバー下部の左右に設定されているトルクスネジ T30 2本を工具を使用して取り外します。ネジが外せましたら指でアンダーカバー上部の5ヶ所の鉄クリップを取り外します。5ヶ所の鉄クリップのうち、センターパネルに一番近い1ヶ所の鉄クリップが固くて外せない場合は樹脂ヘラ等をアンダーカバーの上から差し込んで取り外します。

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取り外した後のアンダーカバーの裏面の状態は以下の写真の通りです。

グローブボックス取り外し

グローブボックスを取り外します。グローブボックスを取り外す前に開閉ランプを樹脂ヘラ等を使用して下にずらし、コネクターを指で引き抜いて取り外します。このコネクターにも爪はありません。

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グローブを固定しているトルクスネジ T20 4本とトルクスネジ T30 3本を工具を使用して取り外します。全てのネジが取り外せましたらグローブボックスを手前に手で引き抜けば簡単に取り外せます。

サイドカバー右取り外し

サイドカバー右を取り外します。右側のウェザーストリップを指で摘んで少し浮かせます。サイドカバー右の隙間から指を入れてサイドカバーを手で持ち、車両後方に引っ張れば簡単に外せます。

ハンドルアンダーカバー取り外し

ハンドルアンダーカバーを取り外します。トルクスビス T20 3本を工具を使用して取り外します。上部右側に2ヶ所、上部左側に1ヶ所の鉄クリップがありますのでハンドルアンダーカバーの上部を指で持ち、車両後方に引き抜けばクリップが外せます。ハンドルアンダーカバーが浮かせましたらスイッチコネクターを取り外します。左右のロックを指で押さえながらコネクターを引き抜きます。

パネルサイドカバー左右取り外し

パネルサイドカバー左右を取り外します。指でパネルサイドカバーの上下を掴んで車両後方に引き抜けば簡単に取り外せます。

センターコンソール後方カバー取り外し

センターコンソール後方のカバーを取り外します。

丸型のキャップに先端を丸く削ったマイナスドライバーを差し込み取り外します。

トルクスビス T20 3本を工具を使用して取り外します。後方のカバーを取り外す際は、カバーを両手で持ち外側に膨らませるイメージで取り外します。

センターレール取り外し

センターレールを取り外します。青色のゴムカバーを車両後方から引き抜きます。

トルクスビス T20 2本を工具を使用して取り外します。

トルクスビス T20 3本を工具を使用して取り外します。

なお、T20のビスはセンターレール先端の1本のみ仕様が違いますので組み付ける際には注意が必要です。

リングカバー取り外し

リングカバーを取り外します。一気に取り外さず、上下、左右を指で持ち少しずつ引き上げて取り外します。爪が割れやすいので慎重に取り外しましょう。

ドリンクホルダー一体パネルを取り外します。カップホルダー内にある左右のトルクスビス T20 2本を工具を使用して取り外します。また、ドリンクホルダー一体パネルを取り外す際はLED照明のコネクターに負荷が掛からないように取り外しましょう。ドリンクホルダー一体パネルを浮かせた状態でシガーソケットのコネクター及び外部入力端子のコネクターを引き抜きましょう。

純正パネル下小物入れ取り外し

純正パネル下の小物入れを取り外します。トルクスビス T20 1本を工具を使用して取り外します。手前に引き出した状態にしておきます。

センターパネル取り外し

センターパネルを取り外します。トルクスビス T20 6本とトルクスビス T30 4本を工具を使用して取り外します。

センターパネル裏のコネクター三ヶ所を取り外します。二ヶ所のコネクターはスライドタイプのロック機構になっていますので、コネクターのスライダーを固定している部分を指で押さえながらスライダーを倒すとコネクターが外せます。また、一番下のコネクターには爪は設定させれていません。

メーターアンダーカバー取り外し

メーターアンダーカバーを取り外します。トルクスビス T20 7本を工具を使用して取り外します。

裏面から撮影した写真は以下の通りです。

ナビ本体を固定しているボルト4本を取り外し、ナビ本体を車両から取り外します。

取り外した後の状態がこの写真です。

最後に

いかがだったでしょうか。国産車と比較して、いかにMINI クロスオーバー R60が面倒な構造をしているかご理解頂けたかと思います。また、グリルカバーのトルクスビスの固定やセンサーの結線においても非常にやり辛く難作業であると共感頂けたと思います。

取り外す部品が多いということはそれだけ部品を破壊するリスクも高まりますので結果的に工賃も割高になってしまいます。悪循環とはまさにこの事です。

”交換工賃を少しでも抑えたい”という方はこのブログを参考にオーナーご自身で整備を進めることをお勧めします。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら

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