はじめに
国産車は日本自動車整備振興会連合会が会員向けに提供しているFAINES(ファイネス)やオーナー自らが正規ディーラーで購入や問い合わせすることで、整備要領書が確認出来ますが、欧州車などの輸入車になると途端に開示されている情報が減ってしまいます。そこで今回はドイツ車であるBMW MINIのCBS(コンディション・ベースド・サービス)リセット作業についてDBA-ZC16 CROSSOVER R60を用いて徹底的に解説します。
MINIにおいてエンジンオイル交換やブレーキフルード交換、フロント・リアのブレーキパッド交換などの作業をした場合はCBSリセット作業が必要です。故障診断機を使用したCBSリセット方法について解説します。
CBS(コンディション・ベースド・サービス)とは
車両自身がオーナーに”サービス時期をお知らせする”機能のことで、走行距離や経過時間、車両の走行パターンなどに応じ、その車両に適切な点検時期と点検項目をお知らせしてくれます。
CBSで管理されている項目は主に以下の4つです。
→次回のオイル交換がいつ頃か(月/年)、又はあとどれ位走れるか(残距離)を表示
MINIの推奨は初回が2万km走行後、2回目からは3万km毎に交換
・ブレーキパッド残量
→ブレーキパッドに装着されている摩耗インジケーターを使いパッド残量をアナウンス
・ブレーキフルード交換時期
→2年に1回交換が必要なブレーキフルードの交換時期を表示
・法令で定められた「1年定期点検」、「2年定期点検(車検)」の時期を表示
ちなみに、摩耗インジケーターはフロント・アクスルの左側とリア・アクスルの右側にセンサーがあり、CBSの情報はMINIのキーに保存されております。
作業紹介
使用ツール紹介
CBSをリセットするには自動車整備工場が使用しているような”故障診断機”が必要です。今回はSnap-on MTG2000を使用して解説します。ちなみにSnap-on MTG2000のOEM元はツールプラネットです。デザインは異なりますがツールプラネットが販売しているTPM2000と中身は同じです。
CBSリセットの呼び出し
CBSリセットの項目はMINI 診断ソフト→作業サポートの中に項目があります。
リア ブレーキ リセット作業の紹介
ブレーキパッドと摩耗インジケーター(パッドセンサー)を交換しても、CBSをリセットしないとブレーキの警告ランプは点灯したままの状態です。CBSリセットのメニューの中からリア ブレーキを選択肢し、リセットします。
リセットされると、0%だったリア ブレーキの項目は100%に戻ります。これだけのことですが、故障診断機がないとリセットはできません。
最後に
整備工場でも未だに故障診断機を持っていない工場もありますので輸入車の整備は正規ディーラーや設備の整った整備工場で作業してもらうことを強くオススメします。診断機を自ら購入して整備することもとても勉強になりますのでオススメです。むしろ最近の車を整備するには診断機は必須です。オススメの故障診断機メーカーはツールプラネット(Snap-onの故障診断機のOEM元)です。価格もSnap-onよりも安いです。国産車・輸入車問わず自動車整備をされている方には故障診断機はあって損はありません。
CBSリセット作業以外にもたくさんの整備記事を公開しています。是非ご覧くださいませ。
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