自動車整備士が教えるテンションロッドブッシュ オイル漏れ修理 S15 シルビアで徹底解説④

S15 Silvia

前書き

前回の記事でテンションロッドブッシュからのオイル漏れ修理 前編:取り外し編(Part③)を紹介しました。今回はその続きとして、後編:組み付け編(Part④)を紹介します。

Part③記事はこちら

自動車整備士が教えるテンションロッドブッシュ オイル漏れ修理 S15 シルビアで徹底解説③
前書き前回の記事でテンションロッドブッシュからのオイル漏れ修理に伴い、新たに購入した油圧プレスの組立方法について紹介しました。今回は修理作業を紹介します。修理作業もかなり濃い内容となっておりますので前編:取り外し編(Part③)、...

Part②記事はこちら

自動車整備士が教えるテンションロッドブッシュ オイル漏れ修理 S15 シルビアで徹底解説②
前書き前回の記事でテンションロッドブッシュからのオイル漏れ修理に伴い、新たに購入した部品・設備・治具・工具を紹介しましたが、Part②ではその中で油圧プレスの組立方法について紹介します。組立は簡単ですが、取説に明記されていないとこ...

Part①記事はこちら

自動車整備士が教えるテンションロッドブッシュ オイル漏れ修理 S15 シルビアで徹底解説①
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そもそもの不具合(テンションロッドブッシュからのオイル漏れ)についてはこちら。

自動車整備士が教えるテンションロッドブッシュ オイル漏れ修理 S15 シルビアで徹底解説
はじめに自動車にはゴム製の部品が数多く採用されています。私のS15 シルビアにも例外なく採用されており、製造から年数が経過してくるとそのゴム製の部品が劣化して様々な不具合に繋がります。今回紹介する不具合はフロントの足回りに使用され...



ニスモ ブッシュ 仕様概要

純正ブッシュのみを購入することは部番設定がなく出来ませんでしたので、ニスモ製 ブッシュに打ち替えることにしました。購入した部品の詳細は以下の通りです。

メーカー:nismo(ニスモ)
部品名称:BUSH
部品番号:54476-RS590
外径(実測値):64.1mm ←圧入作業においては最重要です
内径(実測値):59.1mm
←圧入作業においては最重要です

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo
S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 外径
外径:64.1mm
S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 内径
内径:59.1mm



組み付け作業(ブッシュ圧入 失敗Ver.)

始めに、考えが浅はかだったケースについて恥を承知で紹介します。読者の方が同じミスを避けるために事前に読んで頂けると公開した意味があります。失敗内容はブッシュの圧入ミスにより新品ブッシュ1個が駄目になりました。

失敗の要因は今回押し治具に選定したASTRO PRODUCTSのソケットの外径 59.9mmに対し、nismo BUSHの外径は64.1mm。それぞれの寸法差は4.2mmで左右で按分すると2.1mmずつになります。ブッシュの金属部分の厚みはそれぞれ2.5mmずつですのでソケットの引っ掛かりが左右で0.4mmずつしかないことが分かります。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 押し治具
引っ掛かりが0.4mmと少ない

図にすると以下のようなイメージとなります。少しは分かりやすく伝わるでしょうか。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 押し治具検討
0.4mmずつしか引っ掛かっていないことが問題です

改めてブッシュを圧入する前に、引っ掛かりの部分を考慮したところ、ソケットの掛かりが浅いことに気付き、ありものを間に挟んで暫定で作業をしてしまいました。それが失敗の真因です。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 押し治具 失敗事例
引っ掛かりが浅いので急遽当てを追加して圧入しました

また上の写真でお気付きになる方がおられるかと思いますが、圧入していく際にベースプレートの平面で直接テンションロッドを受けているため、ブッシュが圧入されて下がってくると中央の金属製のカラーがベースプレートと強干渉します。途中でそれに気付きましたが既に強干渉しており、暫定の当て物との接触面が以下の写真のように変形してしまいました。。。先端が少し圧入されたらベースプレートをずらして、再度圧入するつもりでしたが、時間に追われながら焦って作業していたため、すっかり忘れていました。(言い訳です)焦りは禁物です!

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 圧入失敗
S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 圧入失敗
ぐちゃぐちゃに潰れてしまいこれ以上圧入出来ません



圧入を失敗したブッシュを抜く救済処置

まずは、テンションロッドの内径(=圧入済のブッシュの外径)を再度測定しました。テンションロッド横方向の寸法が63.4mm。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 内径寸法

テンションロッドの縦方向の寸法が64.0mmでした。よってブッシュを抜くためには外径 63.0mmの押し治具が必要と判断しました。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 内径寸法

代用できそうな商品を探しましたがなかなか63.0mmの商品はなく、Yahoo!オークションで専用の外径63.0mmの押し治具を購入しました。(外径は実測で62.8mm)

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 圧入治具 寸法測定

テンションロッドに当ててみると、まさに最適な商品でした。押し治具さえ手に入れば鬼に金棒ですのでもう何も悩みは無くなります。救済処置に入ります。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 圧入専用治具

ベースプレートの切り欠きにブッシュを合わせて配置します。位置合わせは携帯電話のインカメラを使用すると確認しやすいです。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 油圧プレスへセット

ベースプレートをL型クランプ4本で固定し、当て板を使い押し治具を圧入していきます。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 油圧プレス作業

すんなりと抜けて、無事に救済できました!

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 取り出し成功



組み付け作業(ブッシュ圧入 成功Ver.)

ブッシュの向きは矢印の向きを下向きにして組み付けます。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 圧入向き

圧入したいブッシュに対し、押し治具の寸法が合致していると躊躇なく安心して圧入ができます。テンションロッドとブッシュの高さが揃うまで圧入すれば完了です。

ここまでくるのに長い道のりでした。ものすごい達成感を感じました。感無量です。

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ nismo 圧入完了

車両へテンションロッドの取付

テンションロッドを車両に戻す前に、取付面の清掃を実施します。砂やゴミを徹底的に除去します。

S15 シルビア テンションロッド 取付前清掃
S15 シルビア テンションロッド 取付前清掃

締め付けトルク値は108〜127N・mです。トルクレンチを使用して締め付けます。

締め付けトルク値は93.2〜112N・mです。トルクレンチを使用して同じくナット2個を締め付けます。

・メーカー:KTC
・型番:CMPB2004
・商品名:プレセット型 トルクレンチ

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作業完了後レビュー

交換が完了した写真です。※本来このナットはセルフロックであり再使用不可です。近々交換します。これでもう暫くはブッシュのことは一切忘れて運転ができます。自分で交換すると達成感もひとしおです。とても良い経験が買えますので皆様もDIYでブッシュ交換されることを強くお勧めします!

S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 交換完了
S15 シルビア テンションロッド ブッシュ 交換完了

最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。引き続きよろしくお願いします。



S15 Silvia
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