自動車整備士が教えるイグニッションコイル コネクタ爪折れ修理 S15 シルビアで徹底解説

S15 Silvia

はじめに

イグニッションコイルを採用している車両のスパークプラグを交換する際によく発生する不具合は『イグニッションコイル コネクター爪折れ』です。人によってはコネクターではなく『カプラー爪折れ』という方もいます。

コネクター爪折れとはイグニッションコイルにエンジンルームハーネスを接続する際に使用しているコネクターの抜け防止用の爪が経年劣化で折れてしまう不具合のことです。

一時凌ぎ的な修理方法として『タイラップ』を使う方法が有名ですが、今回は恒久的な修理方法について徹底解説します。この方法であればS15 シルビアだけでなく、全ての車種のコネクターにも流用出来ますので、非常に有益な情報になるかと思います。

また、スパークプラグ交換についてはこちらの記事を併せてご覧ください。

イグニッションコイルコネクター 爪折れ不具合 交換前の状態

爪の折れたイグニッションコイルコネクター(カプラー)の写真が以下です。S15 シルビアの場合は、エンジンルームハーネスに4個、同じイグニッションコイルコネクターが付いており、抜け防止のギミックがあり、爪部分を押し込みながら引くとコネクターがコイルから外れるようになっています。

樹脂物部品を真冬の外気温が低い状態で脱着するとよく発生してしまう定番の不具合です。

イグニッションコイルコネクター 破損状態

コネクター(カプラー)型番 特定方法

コネクター型番 特定方法(刻印あり)

主要なコネクターメーカーの製品(矢崎総業、住友電装、三菱電線工業、東海理化、AMP、等)であれば必ずメーカーの刻印があり、今回のS15シルビアの場合は赤い矢印の先(写真下)にこのコネクターの型番が刻印されています。『E03FGY』と刻印されています。

イグニッションコイルコネクター 刻印箇所

赤い矢印の先を拡大した写真が以下です。くっきりと読めます。

イグニッションコイルコネクター 刻印部分拡大

コネクター型番 特定方法(刻印なし)

刻印が無い場合は、直接現物を実測し、特定することも可能です。コネクターを特定するために必要な情報は以下の4つです。

  • コネクター、端子の製造メーカー
  • 端子の規格
  • 防水か非防水か
  • 長さ、幅、高さの寸法情報

端子の規格については、オス端子の端子横幅の寸法をノギスで測定することで特定が出来ます。測定値が2.3mmの場合は、測定値をインチに換算(測定値 2.3mm ÷ 25.4mm = 0.090インチ)し小数点以下を読み、”090規格”と特定できます。

防水か非防水かどうかは、ワイヤーシールの有無等で特定出来ます。
(今回のコネクターでは緑のゴム部分や黄色・水色のワイヤーシールで特定出来ます)

コネクターの寸法情報はそれぞれの値をノギスを使用して実測します。
(今回の場合は長さ:28.3mm、幅:29.8mm、高さ:19.6mmとなります)

上記の情報を基にコネクターを特定し、購入につなげることが可能です。

オススメのコネクター購入サイト

コネクターは以下のリンク先ECサイトから直接購入できます。私はいつもこのサイトで購入しています。大変便利です。

【配線コム】車・バイクの配線部品専門店
配線コムは自動車・バイクの配線部品専門店。自動車・バイクに使用されている、カプラ(コネクタ)・端子(ターミナル)等を1個から販売しています。

コネクター交換方法

コネクターを発注し、入手した後の交換作業は至って簡単です。写真にある白いリテーナーをコネクターからマイナスドライバー等を使用して取り外し、メス端子をコネクターから取り出します。

イグニッションコイルコネクター リテーナー

今回のようなコネクターのロック部の破損のみの場合は、メス端子はそのまま使用可能ですのでコネクターとリテーナーのみ交換します。メス端子を新しいコネクターに挿入し、新しいリテーナーをしっかりと差し込みます。

イグニッションコイルコネクター コネクター交換詳細

交換後レビュー

交換が完了したイグニッションコイルコネクターです。タイラップ等で一時的な処置をすることと比較しても安心感が違います。

イグニッションコイルコネクター 交換完了1

今回は右から2番目のコネクターのみ交換しました。一箇所だけ明らかに新しいです。

イグニッションコイルコネクター 交換完了2

最後に

いかがだったでしょうか。正規ディーラーに今回の不具合修理を出すとまず間違いなくコネクター単品の交換はやってくれません。エンジンルームハーネスの交換となってしまい高額修理となります。

自分でコネクターを探して発注し、交換すれば約1,000円程で修理が完結します。コネクター爪折れは暫定的な処置に留まらず、恒久的な対策(=コネクター交換)を実施しましょう。

イグニッションコイルコネクター爪折れ修理以外にもたくさんの整備記事を記載しています。是非ご覧くださいませ。

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