自動車整備士が教える冷却水交換 AZR60G ノアで徹底解説

AZR60G NOAH

はじめに

冷却水(別名:LLC ロングライフクーラント)交換は目安として車検毎(2年に1回)に交換するのが理想とされています。定期的な交換が必要な理由としては、冷却水は常に温度変化(低温側は寒冷地では0℃以下、高温側は100℃以上)を繰り返しており、それにより劣化してしまうからです。

今回は具体的な交換方法から交換後のエア抜きについても徹底的に解説します。最後までご覧いただき整備作業の一助になれば幸いです。



購入部品

今回用意した冷却水は古河薬品工業(通称:KYK)のそのまま使える!!ラクラククーラント5L(緑色)です。また、希釈用水として同じく古河薬品工業の精製水2Lも用意しました。水道水で冷却水を希釈するとヒーターコアが詰まる等の不具合に繋がりますので希釈には精製水を使用しましょう。

車検整備で交換したもの
今回の車検整備で交換したもの
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作業紹介(冷却水排出)

車両をリフトアップする前にラジエターキャップを外しておくと空気が冷却系統に入っていくことで冷却水が早く抜けます。※くれぐれも走行直後で水温が高い場合はキャップを開けないでください

アンダーカバーを外して、冷却水を抜くのが一般的な交換手順ですが、AZR60G NOAH(ノア)の場合は、このようにホースを差し込みマスキングテープ等で固定するとアンダーカバーを外さずに冷却水を漏らさず抜くことが出来ます。NISSAN S15 シルビアも同様に作業ができます。

ホース使用例

冷却水が抜けるまでの間にラジエタードレーンコックのガスケット(ゴムパッキン)を新品に交換しておきます。ガスケットはラジエタードレーンコックを新品で注文すると新しいガスケットが付いた状態で納入されます。その分コストも掛かりますので私はいつもガスケットのみを交換しています。

ラジエタードレーンコック ガスケット交換
内外径を測定し適切なガスケットを選定します

今回抜けた冷却水はリザーバータンク分含めて5.8Lでした。抜けた量を正確に測ることで入れる際の目安となり、冷却水補充不足を未然に防ぐことができます。



作業紹介(冷却水補充・エア抜き)

冷却水を注入する際にはラジエターキャップ部分に専用工具を取り付けて注入すると簡単・確実に作業ができます。今までは2Lペットボトルを半分にカットし、ネジ部にビニールテープを巻き付けて内径と合うように調整した上で差し込んでいましたが、専用工具があるとそんな手間も一切ありません。交換回数がそこそこある方は専用工具の購入も検討されてはいかがでしょうか。

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リザーバータンク内が汚れている車両も多いのでリザーバータンクは取り外し、徹底的に水洗いしましょう。

リザーバータンク洗浄

最後にエア抜き作業ですが、冷却水をファンネル内に満たした状態でエンジンを掛け、水温を上げていきサーモスタッドが開弁し、エアが一気に出てくるまで実施しましょう。アッパーホースとロアホースの温度を測定しながらエア抜き作業をするとより視覚的に分かりやすいです。私はA&Dの放射温度計を使用し測定しながら実施しています。

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最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら



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