前書き
前回の記事でテンションロッドブッシュからのオイル漏れ修理 前編:取り外し編(Part③)を紹介しました。今回はその続きとして、後編:組み付け編(Part④)を紹介します。
Part③記事はこちら
Part②記事はこちら
Part①記事はこちら
そもそもの不具合(テンションロッドブッシュからのオイル漏れ)についてはこちら。
ニスモ ブッシュ 仕様概要
純正ブッシュのみを購入することは部番設定がなく出来ませんでしたので、ニスモ製 ブッシュに打ち替えることにしました。購入した部品の詳細は以下の通りです。
メーカー:nismo(ニスモ)
部品名称:BUSH
部品番号:54476-RS590
外径(実測値):64.1mm ←圧入作業においては最重要です
内径(実測値):59.1mm ←圧入作業においては最重要です
組み付け作業(ブッシュ圧入 失敗Ver.)
始めに、考えが浅はかだったケースについて恥を承知で紹介します。読者の方が同じミスを避けるために事前に読んで頂けると公開した意味があります。失敗内容はブッシュの圧入ミスにより新品ブッシュ1個が駄目になりました。
失敗の要因は今回押し治具に選定したASTRO PRODUCTSのソケットの外径 59.9mmに対し、nismo BUSHの外径は64.1mm。それぞれの寸法差は4.2mmで左右で按分すると2.1mmずつになります。ブッシュの金属部分の厚みはそれぞれ2.5mmずつですのでソケットの引っ掛かりが左右で0.4mmずつしかないことが分かります。
図にすると以下のようなイメージとなります。少しは分かりやすく伝わるでしょうか。
改めてブッシュを圧入する前に、引っ掛かりの部分を考慮したところ、ソケットの掛かりが浅いことに気付き、ありものを間に挟んで暫定で作業をしてしまいました。それが失敗の真因です。
また上の写真でお気付きになる方がおられるかと思いますが、圧入していく際にベースプレートの平面で直接テンションロッドを受けているため、ブッシュが圧入されて下がってくると中央の金属製のカラーがベースプレートと強干渉します。途中でそれに気付きましたが既に強干渉しており、暫定の当て物との接触面が以下の写真のように変形してしまいました。。。先端が少し圧入されたらベースプレートをずらして、再度圧入するつもりでしたが、時間に追われながら焦って作業していたため、すっかり忘れていました。(言い訳です)焦りは禁物です!
圧入を失敗したブッシュを抜く救済処置
まずは、テンションロッドの内径(=圧入済のブッシュの外径)を再度測定しました。テンションロッド横方向の寸法が63.4mm。
テンションロッドの縦方向の寸法が64.0mmでした。よってブッシュを抜くためには外径 63.0mmの押し治具が必要と判断しました。
代用できそうな商品を探しましたがなかなか63.0mmの商品はなく、Yahoo!オークションで専用の外径63.0mmの押し治具を購入しました。(外径は実測で62.8mm)
テンションロッドに当ててみると、まさに最適な商品でした。押し治具さえ手に入れば鬼に金棒ですのでもう何も悩みは無くなります。救済処置に入ります。
ベースプレートの切り欠きにブッシュを合わせて配置します。位置合わせは携帯電話のインカメラを使用すると確認しやすいです。
ベースプレートをL型クランプ4本で固定し、当て板を使い押し治具を圧入していきます。
すんなりと抜けて、無事に救済できました!
組み付け作業(ブッシュ圧入 成功Ver.)
ブッシュの向きは矢印の向きを下向きにして組み付けます。
圧入したいブッシュに対し、押し治具の寸法が合致していると躊躇なく安心して圧入ができます。テンションロッドとブッシュの高さが揃うまで圧入すれば完了です。
ここまでくるのに長い道のりでした。ものすごい達成感を感じました。感無量です。
車両へテンションロッドの取付
テンションロッドを車両に戻す前に、取付面の清掃を実施します。砂やゴミを徹底的に除去します。
締め付けトルク値は108〜127N・mです。トルクレンチを使用して締め付けます。
締め付けトルク値は93.2〜112N・mです。トルクレンチを使用して同じくナット2個を締め付けます。
・メーカー:KTC
・型番:CMPB2004
・商品名:プレセット型 トルクレンチ
作業完了後レビュー
交換が完了した写真です。※本来このナットはセルフロックであり再使用不可です。近々交換します。これでもう暫くはブッシュのことは一切忘れて運転ができます。自分で交換すると達成感もひとしおです。とても良い経験が買えますので皆様もDIYでブッシュ交換されることを強くお勧めします!
最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら
コメント