はじめに
電気に関わる自動車整備やカスタマイズをするには自動車の電気について詳しく理解する必要があります。そこで今回は第二種電気工事士資格と自動車整備資格を持つ私が、【ヒューズ】について実車の写真を用いて徹底解説します。原理原則を正しく理解することで、後々の故障探求にも活かせます。是非とも最後までご覧いただき車いじりの参考にしていただければ幸いです。
ヒューズとは
ヒューズとは溶断特性により2種類のタイプがあります。5A〜20Aの電流領域で使用されるブレードヒューズ(通称:ヒューズ)と20Aを超える電流領域で使用されるヒュージブルリンクがあります。どちらも何らかの不具合で配線の一部がショートした際に真っ先にヒューズが溶断され、ハーネスの過熱による火災を防ぎます。
ヒューズボックスはエンジンルームや室内に設置されている
自分の車のヒューズがどの場所にあるか事前に知っておくことで、何らかの不具合が発生した際にも対処ができます。エンジンルーム内にはヒュージブルリンクやブレードヒューズが格納された専用のボックス(=ヒューズボックス)があります。
室内にもヒューズボックスがあります。室内のヒューズボックスは主に運転席右下のインストパネルにありますが、車種によって異なることもあります。自分の車のヒューズボックスの位置についてはオーナーズマニュアルに記載がありますので事前に把握しておきましょう。
また、それぞれのヒューズの機能についての説明はヒューズボックスカバーの裏側に記載されていることがほとんどです。
ヒューズの種類について
ブレードヒューズ(通称:ヒューズ)には形状の違いによる仕様差があります。
年月が経過するにつれてどんどん小型・軽量化されています。主な仕様は平型ヒューズ、ミニ平型ヒューズ、低背(ていはい)ヒューズの3種類です。また、新車製造時ではあまり採用されていませんが、菅ヒューズもあります。電装品配線途中のホルダーにはよく菅ヒューズが使用されています。
年式の古い車両には平型ヒューズが使用されていました。
平型ヒューズよりも一回り小さいサイズのヒューズがミニ平型ヒューズです。S15シルビア等にも使用されています。
最近の車両では主にこの低背ヒューズが使用されています。
ETC車載器やドライブレコーダーを購入すると配線の途中に設計されているものが菅ヒューズです。
また、ブレードヒューズは容量別に色分けされています。形状が異なっても10Aのヒューズは赤色といった具合に色が決まっています。
ブレードヒューズ切れの見分け方について
ヒューズは左右の端子間を細い接続部で繋げた仕様になっています。この接続部は許容する電流値により太さが異なります。
何らかの不具合により許容する電流値以上の電流が流れると接続部が溶断(溶けて)断線する仕組みになっています。よって、接続部が引っ付いているか離れているかでヒューズ切れが判別できます。
なお、ヒューズが溶断している場合は回路に何かしらの不具合が発生していますので、過電流(10Aヒューズであれば10A以上の電流が流れてしまっているという意味)に対して処置が必要です。
また、ヒューズ切れかどうか見た目では判断がつきにくい場合はテスターを使用して導通を確認することで点検できます。
ヒューズ電源取り出しについて
最後に、ヒューズボックスから電源を取り出す際に非常に便利な商品を紹介します。エーモン工業が販売している”ヒューズ電源”です。この商品を使用すると純正のヒューズと入れ替えるだけで電源の取り出しができます。接続のポイントはヒューズから配線が出ている側をヒューズボックスのプラス側に接続することです。
低背タイプの商品ももちろんあります。またヒューズの容量違いの商品も設定されています。
その場でどのヒューズから電源を取り出すか決めたい!といったニーズにはフリータイプのヒューズ電源がお勧めです。取り外した純正ヒューズを取り付けることで電源が取り出せます。
こちらも低背タイプがもちろん設定されております。
最後に
いかがだったでしょうか。ヒューズ1つとってもなかなか奥が深いことがわかっていただけたかと思います。この記事以外にも自動車の電気について様々な記事を書いています。併せてお読みいただければ幸いです。
『車における電気の流れ』についてはこちらの記事をご覧ください。
『電源の取り出し場所』についてはこちらの記事をご覧ください。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら
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