自動車整備士が教えるMINI クロスオーバー R60 リザーバータンク交換 徹底解説

Crossover R60

はじめに

MINI CROSSOVER(ミニ クロスオーバー) R60は非常に故障が多いです。中でも液体が漏れるシリーズはバリエーションが豊富で、ありとあらゆる箇所から漏れます。これまでの約7年4ヶ月というMINI生活の中でありがたいことに以下の不具合たちを経験してきました。

・2021年12月16日:水温センサーOリング部より冷却水(アンチフリーズ)漏れ
・2022年  5月28日:サーモスタットハウジングからの冷却水漏れ
・2023年  6月  4日:クーラントポンプからの冷却水漏れ
・2023年  6月11日:ヘッドカバーガスケットからのエンジンオイル漏れ
・2023年12月  2日:オイルフィルターハウジングからのエンジンオイル漏れ

そして今回の液体が漏れるシリーズ第6段はこれまたR60定番の不具合である【リザーバータンクからの冷却水漏れ】です。

国産車は日本自動車整備振興会連合会が会員向けに提供しているFAINES(ファイネス)やオーナー自らが正規ディーラーで購入や問い合わせすることで、整備要領書が確認出来ますが、欧州車などの輸入車になると途端に開示されている情報が減ってしまいます。そこで今回はドイツ車であるBMW MINIのリザーバータンクからの冷却水漏れ修理についてDBA-ZC16 CROSSOVER R60を用いて徹底的に解説します。

同じ車種をお乗りのオーナーはもちろん、BMW MINIにお乗りのオーナーにとっても有料級の情報になると思います。この記事をご覧になりご自身で冷却水漏れ修理に挑戦される方が一人でも増えれば幸いです。

ちなみに過去の液体が漏れるシリーズについて内容や修理方法が知りたい!という方は以下のリンク先を併せてご覧ください。

車両情報

・車名:BMW
・車台番号:WMWZC32080WN*****
・型式:DBA-ZC16
・原動機の型式:N18B16A
・総排気量又は定格出力:1.59L
・ボディカラー:ライトホワイト(B15)
・モデルイヤー:前期2011年1月〜2014年8月
・初度登録年月:2013年(平成25年)3月18日

現状把握(冷却水漏れ状態の確認)

今回の冷却水漏れは日常点検で冷却水の水位を確認する際に発見しました。樹脂製のリザーバータンクに亀裂が入り内部から冷却水が漏れ出していました。ちなみにMINI CROSSOVER R60のリザーバータンクは加圧式のタンクになっておりますので亀裂が入るとどんどんと亀裂が進行します。

漏れ部を拡大した写真が以下の写真です。漏れ出た冷却水が固まって結晶化していました。

購入部品

今回の冷却水漏れ修理には以下の部品を準備しました。今回もいつもお世話になっているCENTPIA(セントピア)様よりOEM部品を入手しました。

ちなみにMINI CROSSOVER R60のリザーバータンクのBMW純正部品番号は17 13 7 823 626です。

なお、こちらのOEM部品にはラジエターキャップは付属しておりませんので、現在まで使用していた純正キャップを再使用します。

ちなみにリザーバータンクの構造は上下2つの樹脂成形品を超音波溶着で接着してあります。

またリザーバータンクを交換する際はBMW純正の冷却水も併せて準備しましょう。ちなみにBMWにおける冷却水の正式名称は”アンチフリーズクーラント”です。

使用工具紹介

今回の修理で使用した工具は以下の写真の通りです。工具の詳細については作業紹介の中で順に解説します。

作業紹介

リザーバータンク固定ボルト緩め

リザーバータンクを固定している二面幅が10mmの六角ボルトをラチェットレンチを使用して緩めます。今回はVESSELの電動スリムラチェットを使用しました。

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αクランプ取り外し

KNIPEX(クニペックス)のCOBRAを使用してホースを固定しているαクランプを摘んでずらします。

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バルジ部分よりも外側にαクランプを移動させます。

ホース取り外し

リザーバータンクに接続されているホースを取り外します。取り外す際にはホースがリザーバータンクに固着して外せないケースがほとんどですので、まずはピックツール等でホースの固着を解きます。

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今回はホースは再使用しますのでピックツールでホース内面に傷をつけないように慎重に作業しましょう。

固着が解けましたら、ホースプーラープライヤーを使用して隙間を広げます。ホースプーラープライヤーの先端をヤスリ等で薄く加工すると挿入性がさらに向上します。

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ホースを外した後の状態が以下の写真です。

冷却水抜き取り

冷却水の交換作業と同時にリザーバータンク交換作業を実施していない場合は、リザーバータンク内に残っている冷却水をポンプやスポイト等で吸い上げて除去します。今回はリザーバータンク交換作業のみを単独で実施しているため、スポイトを使用して古い冷却水を吸い出しました。

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リザーバータンク内の冷却水が空になるまで吸い続けます。

周辺部品取り外し、作業スペースを確保

リザーバータンクの真下にあるロックピンを引き抜くために周辺部品を取り外して作業スペースを確保します。なお、ロックピンを周辺部品を取り外さずに無理やり外そうとするとホースの接合部に負荷が掛かり樹脂製のジョイントが折れるなどの二次不具合に繋がる可能性がありますので無理をせず周辺部品を取り外して作業しましょう。

エアダクトを取り外します。なお、エアダクトの取り外しについては以下の別記事で徹底解説しておりますのでそちらも併せてご覧ください。

エアダクトを固定しているαクランプを取り外します。

エアクリーナーBOXカバーを固定しているトルクスビスをT25のトルクスビットを使って緩めます。

T30のトルクスビットを使用してエアマスメーターを固定しているトルクスビスを緩めて取り外します。

二面幅が7mmのソケットレンチを使用してエアダクトを固定しているバンドを取り外します。

エアクリーナーBOXを固定しているT25のトルクスビスを緩めてエアクリーナーBOXを動かせるようにします。

助手席側のヘッドランプ横にあるエアダクトの嵌合を外してエアダクトを少し車両後方に引き抜き、リザーバータンクのロックピンにアクセスできるようにします。

リザーバータンク交換

リザーバータンクに接続されているロアホースのロックピンを引き抜き、リザーバータンクからホースを取り外します。古いリザーバータンクが摘出できましたら新しいリザーバータンクを取り付けます。

ロックピンが正しい位置に入っていることをエアダクトの嵌合部の隙間から確認します。

拡大した写真が以下の写真です。

車両側のリザーバータンク保持部(凸部分)にリザーバータンクを合わせます。

リザーバータンクの側面にある挿入部を車両側にあるゴムブッシュに差し込みリザーバータンクを保持します。

周辺部品の復元

作業スペース確保のために取り外した周辺部品を復元します。復元時にはエアクリーナーBOX内部に溜まっているゴミ等を掃除機で除去しておきましょう。

リザーバータンク固定ボルト締め付け

リザーバータンクを固定している二面幅が10mmのボルトを締め付け、リザバータンクを車両へ固定します。

冷却水注入

最後にリザーバータンクのMAXレベルまで冷却水を補充すればリザーバータンクの交換作業は完了です。

最後に

いかがだったでしょうか。国産車であれば5分で終わるような非常に簡単な作業であってもBMW MINIともなれば整備性の悪さゆえ、このように非常に手間が掛かります。

修理代も非常に高額になりますのでこの記事をご覧いただきオーナーご自身で作業されてみてはいかがでしょうか?

最後になりますが、MINIの長期保有については、心の底からMINIを愛している方ならば関係ありませんが、それほどでもないと感じている方には正直なところ、長期間の維持は一切おすすめしません。

(個人的には台数も多く、部品も流通しており整備性も良く、情報も多いトヨタ車をオススメします)

最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら



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