はじめに
車検時にこの項目をしっかり点検・整備していないと確実に不適合になる項目が『スタビライザーリンク(スタビリンク)ブーツ破れによるグリスはみ出し』です。
MINIの場合、当該部位の名称は『アンチロールバー用プッシュロッド(アンチロールバーリンク)』と呼ばれていますが、国産車と機能や交換方法は全く同じですが、国産車ではあまり使用されていない工具サイズや締め付けトルク値など一般には公開されていない項目もあります。
今回はドイツ車であるBMW MINIのアンチロールバーリンク交換についてDBA-ZC16 CROSSOVER R60を用いて徹底的に解説します。
同じ車種をお乗りのオーナーはもちろん、BMW MINIにお乗りのオーナーにとっても有料級の情報になると思います。この記事をご覧になりご自身でアンチロールバーリンク交換に挑戦される方が一人でも増えれば幸いです。
車両情報

・車名:BMW
・車台番号:WMWZC32080WN*****
・型式:DBA-ZC16
・原動機の型式:N18B16A
・総排気量又は定格出力:1.59L
・ボディカラー:ライトホワイト(B15)
・モデルイヤー:前期2011年1月〜2014年8月
・初度登録年月:2013年(平成25年)3月18日
現状把握
交換作業に入る前に今回交換するアンチロールバーリンクが車両のどの位置にあるかとどのように締結されているかを紹介します。
今回交換する部位は運転席側のアンチロールバーリンクです。下部はスタビライザーに固定されています。

上部はショックアブソーバーに固定されています。

固定ナットは二面幅が16mmで周り止めはトルクスのT30サイズです。

ショックアブソーバー側の固定ナットも同じ16mmで周り止めもT30サイズです。

購入部品
今回のアンチロールバーリンクはゴムのみの設定はおそらくありませんのでリンクASSYで交換します。
BMWの純正部品番号は31 35 9 806 352です。今回も部品は毎回お世話になっているセントピア様で購入させてもらいました。

再使用不可部品のナットも2個付属しています。

使用工具紹介
今回の修理で使用した工具は以下の写真の通りです。工具の詳細については作業紹介の中で順に解説します。

作業紹介
作業スペースの確保
フロアジャッキと馬を使用し、車両をジャッキアップします。ジャッキアップについてはこちらの記事をご覧ください。安全なジャッキアップ方法について解説しています。

なお、今回の作業は2柱リフトを使用しています。


運転席側のタイヤ取り外し
電動インパクトレンチを使用してホイール固定ボルトを緩めてタイヤを取り外します。
電動インパクトレンチを使用すれば、ジャッキアップした後のタイヤが空転する状態でもホイールボルトを緩めることが出来ます。


アンチロールバーリンク下側固定ナット取り外し
下側の固定ナットを緩めます。ナットの2面幅は国産車では滅多に使用されていない16mmです。


16mmのギヤラチェットを使用してナットを緩めます。使用した工具はTONEの4WAYラチェットめがねレンチセットです。


ナットが少し緩みましたら、T30のトルクスを差し込み周り止めをしながらナットを取り外します。


アンチロールバーリンク上側固定ナット取り外し
ナットが固くて渋い場合は緩める前にラスぺネを塗布してからナットを緩めましょう。


下部同様にナットを緩めます。上側はより頭が小さくて振りやすいPro-Autoのギアラチェットを使用して緩めました。


周り止めをして同様にナットを緩めて取り外します。


新旧部品比較
右側が旧品、左側が新品になります。車両に新品を組み付ける前に製品の寸法が同じかどうか、またネジ部の角度が同じかどうか比較してから組み付けましょう。また、新品のピボット部分の摺動抵抗が旧品と比較して大差ないか確認しましょう。


ちなみに、この商品には説明書が付属しておりましたが、肝心な締め付けトルク値については記載されておりませんでした。


取付座面清掃
アンチロールバーリンクを組み付ける部分の締結座面を清掃します。締結面にコンタミや油分があると締め付けトルク値がばらつきますので徹底的に清掃しましょう。


下側も同様に清掃します。


アンチロールバーリンク仮位置合わせ
アンチロールバーリンクを車両に組み込む際は上下両側を仮位置合わせしてから締結しましょう。


従来の締結位置から変化してしまうとアライメントが変化してしまいますので注意が必要です。


アンチロールバーリンク仮締結
T30のトルクスを差し込みアンチロールバーリンクのピボット部分が回転しないようにしながらナットを締め付けます。


上側も同様に締め付けます。


締め付ける際はアンチロールバーリンクを側面から確認し、締結面に対してボルト・ナットが垂直になっているかどうか確認しながら締め付けましょう。


アンチロールバーリンク本締め
トルクレンチを使用してアンチロールバーリンクを本締めします。
本締めの際にラチェットタイプのトルクレンチでトルク管理をしようとするとT30のトルクスでは周り止めができませんので2面幅が18mmの薄いタイプのスパナを使用してピボット側から周り止めをしましょう。18mmの薄いスパナがない場合は19mmのスパナでも代用は可能です。
締め付けトルク値は60N・mです。上側はショックアブソーバーと干渉するのでセミディープタイプの16mmソケットを使用しています。


下側も同様に60N・mで締め付けます。下側はタイロッドと干渉するので逆にショートタイプの16mmソケットを使用しています。


締結状態の確認
交換が完了した写真が以下の写真です。


締結座面に隙や異物の混入がないか、ゴム部分にねじれがないかも合わせて点検しましょう。


タイヤ取付
アンチロールバーリンクの交換が完了しましたら後は復元作業に入ります。取り外したタイヤを取り付けます。欧州車の場合は、取り付けがボルトタイプになりますので以下のような位置あわせピンがあると作業性が向上します。


ピンにホイールの穴を合わせてセットします。


インパクトレンチの打撃設定を1に変更し、ホイールボルトを仮止めします。


タイヤを軽く設置させてトルクレンチで締め付けトルクまで締め込みます。締め付けトルク値は140N・mです。


最後に
いかがだったでしょうか。欧州車であってもアンチロールバーリンクの交換作業自体はほぼ国産車と同様のやり方です。使用する工具のサイズや締め付けトルク値が異なる等の差異がありますので是非ともこの記事を熟読いただき作業されてみてはいかがでしょうか。
アンチロールバーリンクの交換作業以外にも様々な修理記事を公開していますので参考にされてみてください。
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