前書き
前回の記事でテンションロッドブッシュからのオイル漏れ修理に伴い、新たに購入した油圧プレスの組立方法について紹介しました。今回は修理作業を紹介します。修理作業もかなり濃い内容となっておりますので前編:取り外し編(Part③)、後編:組み付け編(Part④)として紹介します。
車いじりの参考になれば幸いです。
Part②記事はこちら
Part①記事はこちら
そもそもの不具合(テンションロッドブッシュからのオイル漏れ)についてはこちら。
車両からテンションロッドの取り外し
修理に入る前に、交換前の状況について補足します。不具合発見当初は進行方向に対して左側のテンションロッドブッシュからオイルが漏れており、右側からは漏れていませんでした。しかし、交換前に右側を確認すると、右側からもオイルが漏れていました。こう言った部品は片側だけ交換してもすぐにもう一方が壊れるという教えに対して私の車は模範的な結果になっていました。
では、取り外し作業に入ります。テンションロッドは二面幅17mmのボルト&ナットと17mmのナット2個の計3箇所で固定されています。高年式かつ、使用されているナットがセルフロックナットのため、緩める際にはかなりの力が必要です。事前にWAKO’Sのラスペネをネジ部分に塗布して浸透させておくと少しは楽に緩めることが可能です。12.7sq.のロングスピンナハンドルを使用して緩めます。
動画では伝わりにくいですが、緩みはじめの音がガレージ内に響き渡りながら緩みました。
車両から取り外したブッシュです。オイル漏れもそうですが、ゴムが変形してカラーの位置も中心からズレていました。
テンションロッドからブッシュの取り外し
油圧プレスでブッシュを取り外すにはそれぞれ、受け治具と押し治具が必要となります。油圧プレスだけを購入しても肝心のブッシュは抜けませんので、いかに対象の部品に合わせた治具を選定できるかがとても重要です。
今回、受け治具については、『UK万能角材金具』を2個使用してCクランプ4個でベースプレートに固定しました。取り外したいブッシュよりも少し隙間を広げた状態で金具をCクランプで固定します。
UK万能角材金具は板厚も厚く縦方向の力に対しては、強いです。押し側治具セット前の状態です。
さらにブッシュを抜くために押し治具としてASTRO PRODUCTSのソケットレンチを使用しました。このソケットの外径は59.9mmであり、抜きたいブッシュの寸法64.0mmよりも小さい寸法を選びます。セットした写真が以下の写真です。プレスで力を掛けていく前に事前にバーナーを使いテンションロッドに熱を加えて膨張させておくと少しは楽に外せます。
今回、副案としてもう一種類の取り外し方法について検討・実施しました。受け治具として油圧プレスに付属しているベースプレートを使用するやり方です。以下の写真のように抜きたいブッシュに当たらないようにテンションロッドを位置決めします。
そして、ベースプレートが圧入していく際に上向きに動かないようにL型クランプで油圧プレス本体に固定します。押し治具は外径63mmの専用の治具をネットで購入しました。同様に取り外し前にブッシュが固着していますのでバーナーを使用してブッシュに熱を入れておきます。
下の動画では左手前側のブッシュとベースプレートの位置が近く、L型クランプが外れてしまいましたが、問題なく動き出しました。
動き始めると2ton以下の力でスルスルと抜けてきます。
ブッシュ取り外し後レビュー
綺麗に純正ブッシュが抜けました。怪我もなく安全に取り外せましたのでまずはOKだと思います。意外と抜くよりも嵌める方が難しいことは事前に知識として知っていましたが、この後に洗礼を受けました。次回の投稿で紹介したいと思います。
次回記事へのリンク
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