はじめに
MINI CROSSOVER(ミニ クロスオーバー) R60は非常に故障が多いです。中でも液体が漏れるシリーズはバリエーションが豊富で、ありとあらゆる箇所から漏れます。これまでの約7年4ヶ月というMINI生活の中でありがたいことに以下の不具合たちを経験してきました。
・2022年 5月28日:サーモスタットハウジングからの冷却水漏れ
・2023年 6月 4日:クーラントポンプからの冷却水漏れ
・2023年 6月11日:ヘッドカバーガスケットからのエンジンオイル漏れ
・2023年12月 2日:オイルフィルターハウジングからのエンジンオイル漏れ
・2025年12月18日:リザーバータンクからの冷却水漏れ
そして今回の液体が漏れるシリーズ第7段はこれまたR60定番の不具合である【オイルサンプからのエンジンオイル漏れ】です。ちなみにオイルサンプとはエンジンオイルを溜めておく底部の容器のことで国産車では一般的に”オイルパン”と呼ばれています。
なお、国産車は日本自動車整備振興会連合会が会員向けに提供しているFAINES(ファイネス)やオーナー自らが正規ディーラーで購入や問い合わせすることで、整備要領書が確認出来ますが、欧州車などの輸入車になると途端に開示されている情報が減ってしまいます。そこで今回はドイツ車であるBMW MINIのエンジンとオイルサンプの継ぎ目からのエンジンオイル漏れ修理についてDBA-ZC16 CROSSOVER R60を用いて徹底的に解説します。
同じ車種をお乗りのオーナーはもちろん、BMW MINIにお乗りのオーナーにとっても有料級の情報になると思います。この記事をご覧になりご自身でエンジンオイル漏れ修理に挑戦される方が一人でも増えれば幸いです。
ちなみに過去の液体が漏れるシリーズについて内容や修理方法が知りたい!という方は以下のリンク先を併せてご覧ください。
車両情報


・車名:BMW
・車台番号:WMWZC32080WN*****
・型式:DBA-ZC16
・原動機の型式:N18B16A
・総排気量又は定格出力:1.59L
・ボディカラー:ライトホワイト(B15)
・モデルイヤー:前期2011年1月〜2014年8月
・初度登録年月:2013年(平成25年)3月18日
現状把握(エンジンオイル漏れ状態の確認)
修理作業に入る前にエンジンオイルがどのように漏れていたのかをご紹介します。今回は、エンジンとオイルサンプの繋ぎ目からエンジンオイルが染み出してオイルサンプの底面に溜まり滴下していました。


エンジンに固定されているトルクロッドの裏側もオイルで汚れていました。


A/T側にはオイルサンプから滲み出てきたエンジンオイルがかなり溜まっていました。幸いなことにマフラーにはエンジンオイルは掛かっていませんでした。


A/T側の一番低い部位には汚れたエンジンオイルが溜まっていました。


マフラー上部のオイルサンプのコーナー部からもエンジンオイルが滲み出ていました。


ドライブベルト側のオイルサンプのコーナー部からも若干エンジンオイルが滲み出ていました。


ドライブベルト側のオイルサンプのコーナー部の別のアングルです。


車両前方の中央部分からもエンジンオイルが滲み出ていました。


車両前方のマフラー側のオイルサンプコーナー部分からもエンジンオイルが滲み出ていました。


購入部品
今回のエンジンオイル漏れ修理には以下の部品を準備しました。入手先はいつもお世話になっているCENTPIA(セントピア)様です。
1点目はMINI CROSSOVER R60のオイルサンプに設定されているエンジンオイルドレンボルトの銅ガスケットです。BMW純正部品の部品番号は11 13 7 546 275です。


2点目は液体ガスケットです。MINI クロスオーバー R60のオイルサンプはガスケットシートではなく、液体ガスケットでシールされています。よって、再組み付けする際は液体ガスケットを準備しましょう。
3点目は固着したオイルサンプを取り外す際に使用するこちらの工具です。この工具があると非常に簡単に取り外しができるようになります。


ちなみに専用工具を購入するのはちょっと。。。という方にはスクレーパーの刃を使用してハンマーでエンジンとオイルサンプの隙間に打ち込むことでシールパッキンの貼りつきを除去することができます。
使用工具紹介
今回の修理で使用した工具は以下の写真の通りです。工具の詳細については作業紹介の中で順に解説します。


作業紹介
エンジンオイル排出
オイルサンプを取り外すにはまず最初にオイルサンプ内部に溜まっているエンジンオイルを排出する必要があります。排出するにはエンジンオイルドレンボルトを二面幅が8mmのHEXソケットを使用して緩めてエンジンオイルを排出します。
なお、エンジンオイルの排出作業についてはこちらの記事で徹底解説しておりますので併せてご覧ください。
エンジンオイルが排出出来ましたら、新しい銅ガスケットをエンジンオイルドレンボルトにセットしてトルクレンチで規定トルク:30N・mまで締め込みます。


マフラー養生
オイルサンプを取り外すとエンジンオイルがエンジンから大量に垂れてきます。その際に垂れてきたエンジンオイルが排気システムに掛からないように事前にビニマスカー等で養生しておきます。


オイルサンプ固定ボルト取り外し
オイルサンプを固定しているボルト計 16本を二面幅が8mmのソケットレンチを使用して緩めます。


なお、マフラーと位置が干渉している部分の固定ボルト2本をマフラーを外さずに緩めるには本来はSSTが必要になります。私もさすがにBMW指定のSST(特殊工具11 9 582 & 11 9 581)は持ち合わせていないので今回は、以下の工具を組み合わせて代用しました。


ボルトを緩める初期段階から途中までは以下の組み合わせで緩めます。なお、この組み合わせのままボルトを緩め続けるとボルトの全長が伸びてオイルサンプとマフラーの間でボルトと工具が挟まるので注意が必要です。


ある程度、ボルトが緩めれましたら以下の組み合わせの工具に変更してボルトを最後まで緩めます。




オイルサンプ取り外し
ボルトが緩められましたら、対角4本のオイルサンプ固定ボルトを残した状態でオイルサンプを木製ハンマーやプラスチックハンマーを使用して叩きながら固着を解き、取り外します。


オイルサンプを取り外した後の状態が以下の写真です。


オイルサンプ側液体ガスケット除去
オイルサンプのエンジンブロックとの接触面に貼り付いた液体ガスケットをスクレーパーや真鍮ブラシを使用して除去します。


ちなみに私はいつもKTCのスクレーパーを愛用しています。


また、固定ボルトに貼り付いた液体ガスケットも同様に除去します。


液体ガスケットを除去した後の状態が以下の写真です。


エンジンブロック側液体ガスケット除去
エンジンブロック側に貼り付いた液体ガスケットもオイルサンプ側と同様にスクレーパーやオイルストーンで除去します。また、除去した後はパーツクリーナーでシール面を徹底的に脱脂します。


液体ガスケットを除去し、脱脂が完了した後の状態が以下の写真です。


オイルサンプ側へ液体ガスケット塗布
新しい液体ガスケットをオイルサンプ側へ薄く均一に塗布します。途中、液体ガスケットに切れ目がないように均一に塗布するように心掛けましょう。


オイルサンプを車両へ組付
液体ガスケットが塗布できましたら素早く車両へ組み付けます。なお、固定ボルト(M6x16)の締め付けトルク値は12N・mです。トルクレンチを使用して締め付けましょう。
修理が完成した状態が以下の状態です。


エンジンオイル注入
固定ボルトを規定トルク値で締め付け、液体ガスケットに記載されたオープンタイムを確保した後にエンジンオイルを注入し、エンジンを始動させてエンジンオイルの漏れがなければ作業は完了です。
作業時のワンポイント
オイルサンプを車両へ組み付ける際にオイルパン内部にあるオイルポンプのハーネスがオイルサンプ組み付け時の軌跡よりも外側に出て干渉するとオイルサンプのシール面に塗布した液体ガスケットがハーネスに欠き取られてエンジンオイルが再度漏れる可能性がありますので注意が必要です。


実際に欠き取られると以下の写真のようにハーネスに液体シールが付着しオイルサンプ側のシールが不足します。


最後に
いかがだったでしょうか。国産車であればいとも簡単に修理できるオイルサンプからのエンジンオイル漏れも整備性の悪いMINIとなれば非常に骨が折れる作業になってしまいます。そうは言ってもプロにお金を払って全任するのも良いですが、難易度としてはそれほどでもないのでご自身で楽しみながら作業されてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら





















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