はじめに
約5,000km毎に訪れる避けては通れない整備、それがエンジンオイル交換です。また、エンジンオイルフィルターはエンジンオイル交換2回に1回は実施することが推奨されています。
自動車にとってエンジンオイルは人間で言う血液のような重要な役割を担っています。オイル管理はエンジンそのものの管理と言っても過言ではありません。是非ともこの記事を参考にしていただき、定期的な交換サイクルを確立しましょう。
また、エンジンオイル交換をご自身でされる方は是非とも次は冷却水(ロングライフクーラント)交換にもチャレンジしてはいかがでしょうか?冷却水交換についても徹底解説していますので、併せてご覧ください。
購入部品
今回準備した商品は以下の通りです。
エンジンオイルはトヨタ純正の5W−20のSNグレードオイル(鉱物油)、エンジンオイルフィルターはDRIVE JOYのV9111-0102、ドレンボルトのガスケットはトヨタ純正品を用意しました。
また、廃油の処理にはポイパックがオススメです。トヨタ AZR60G ノアのエンジンオイル排出量は約4.2Lですので今回は4.5Lタイプを準備しました。
作業紹介
オイル量の把握
エンジンオイルを抜く前に、車両が水平になっていることを確認し現状のオイル量をオイルレベルゲージを使い確認します。オイルレベルゲージの使用方法は、オイルレベルゲージをエンジンから引き抜き、毛羽立ちにくいショップタオル等を使用して、レベルゲージ先端のエンジンオイルを拭き取り、再度エンジン内に挿入し引き抜きます。そしてレベルゲージに付着したエンジンオイルの位置によりオイル量を把握します。
交換前のオイル量を把握する事はエンジンオーバーホールの要否判断に繋がりますのでとても大切です。ちなみに、車種によっても差はありますが、オイルレベルゲージの上限値と下限値の差は約1Lとなります。また、このAZR60G ノアはエンジンオイル量が下限界を超えてしまっています。
フィラーキャップ・オイルレベルゲージの取り外し
リフトアップしてドレンボルトを緩める前にフィラーキャップ(注ぎ口のキャップ)とオイルレベルゲージを抜いておくとエンジン内部に空気が入るため、早くエンジンオイルを抜くことができます。
作業スペースの確保
フロアジャッキと馬を使用し、車両をジャッキアップします。ジャッキアップについてはこちらの記事をご覧ください。安全なジャッキアップ方法について解説しています。
オイルドレンプラグ取り外し・エンジンオイルフィルター取り外し
AZR60G ノアのオイルドレンプラグ(ボルト)の位置は以下の写真の通りです。間違ってATF(オートマチックトランスミッションフルード)のドレンプラグを緩めないように気をつけましょう。
ドレンボルトは二面幅が14mmですのでメガネレンチやソケットレンチを使用してドレンボルトを緩めます。また、オイルフィルターレンチを使用して、オイルフィルターを外します。AZR60G ノアのエンジンオイルフィルターは下向きに車両に装着されていますので、オイルが溢れないようにする工夫が必須です。私は以下のような自作工具を毎回使用しています。100均で簡単に作れます。
実際の使用動画は以下のリンク先をご覧ください。全く手を汚さずに交換できます。オススメです。
新しいエンジンオイルフィルターの取付
オイルフィルターが外せましたら、エンジン側のフィルター取付面を清掃します。次に新しいオイルフィルターのエンジンとの接触面にエンジンオイルを塗り、エンジンに取り付けます。オイルフィルターの取付はオイルフィルターレンチを使用して、フィルターが接触面に当たってから3/4回転締めます。締めすぎは厳禁です。逆に漏れます。
ドレンボルト締め付けトルク値は25N・m
オイルフィルターが取付できましたらドレンボルトのガスケットを新品に交換し、トルクレンチを使用して締付します。整備要領書の規定値は25N・mです。アンダートルクもオーバートルクもNGです。
各部のオイル汚れを清掃する
オイルフィルターもドレンボルトも取付ができましたら、各部のオイル汚れを拭き取ります。新油を入れた際に万が一漏れがあった場合にも発見が容易にできます。拭き取っていないと元々の汚れとの区別が困難です。
エンジンオイル注入
最後にエンジンオイルをフィラーキャップから注ぎ、エンジンオイルの油量を確認します。オイルの量が多すぎるとウォーターハンマーを起こしますので注意が必要です。ちなみにレベルゲージの下限の穴から上限の穴までは約1Lです。
なお、万が一、エンジンオイルを入れ過ぎてしまった際は落ち着いてこちらの記事をご覧ください。
使用工具紹介
今回使用した工具を紹介します。単純な作業ですが、トルクレンチ等の保証工具は必須です。オイルパンはオーバートルクだと簡単に壊れますし、逆に緩いとオイルが漏れて最悪のケースではエンジンが焼き付きます。正しい工具と正しい情報を基に作業されることをオススメします。
最後に
いかがだったでしょうか。エンジンオイル交換作業は車いじりの中でも初歩的な作業ですが、突き詰めるとかなり奥が深いことが分かっていただけたかと思います。定期的なエンジンオイル交換はエンジンを良い状態で維持していくのに最良の手段です。DIYでやるには一番オススメな作業です。
エンジンオイル交換以外にもたくさんの整備記事を記載しています。是非ご覧くださいませ。
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