はじめに
古い車を大切に所有されているオーナーの中で【ヘッドライトのレンズの曇りや黄ばみ】に悩まされているオーナーは少なくないと思います。
納車から5年しか経過していない車両であっても、どこか古く見えるものもあれば、製造から20年経過している旧車でもとても綺麗に見えるものもあります。その違いを生んでいるのは間違いなくヘッドライトです。ヘッドライトは車の正面に鎮座しており、その車の印象を決定付ける重要な部品です。
ひと昔前の車両であればヘッドライトのレンズの曇りよりも車体のボディ塗装の劣化が気になりましたが、最近は塗料の品質も向上しボディの色褪せ(退色)等の不具合も発生しにくくなり、よりヘッドライトの曇りや黄ばみが目立つようになっています。
そこで、今回はヘッドライトの曇りや黄ばみを簡易的に取る方法からヘッドライトのレンズ交換(通称:カラ割り)、ヘッドライトのASSY交換までを紹介した上で、過去に私が実施した方法についてNISSAN GF-S15 シルビアを使って徹底解説します。
実際にS15 シルビアを乗られている方はもちろんのこと、他車でヘッドライトの曇りや黄ばみに悩まされている方にとっても非常に有益な情報になります。車いじりの参考になれば幸いです。
NISSAN GF-S15 シルビアのその他の整備記事はこちら↓
車両情報
・車種名称:シルビア spec R(ターボ)
・型式:GF-S15
・原動機型式:SR20
・初度登録年月:平成13年(2001年)11月
・車種記号:GBYARUYS15UD4E-BAB KH3(ボディカラー:黒) G(内装色)
1桁目(G)…2ドアクーペ
2,3桁目(BY)…SR20DET
4桁目(A)…後輪駆動(2WD)
5桁目(R)…右ハンドル
6桁目(U)…spec R エアロ
7桁目(Y)…手動6速
8,9,10桁目(S15)…S15
11桁目(U)…ターボ(EGI)
12桁目(D)…国内標準仕様
13桁目(4)…4人乗り
14桁目(E)…spec R エアロ仕様
15桁目(-)…標準仕様
16桁目(B)…プライバシーガラス(リアサイド、リアウィンドウ)
17桁目(A)…オーディオレス
18桁目(B)…キセノンヘッドランプ
交換前のヘッドライトの状態
このGF-S15 シルビアは車両を購入した時点からヘッドライトのレンズの曇りや黄ばみがひどい状態であり、”THE 古い車”状態になっていました。以下の写真が交換前の状態です。
ヘッドライトが曇るのは紫外線が原因
そもそもヘッドライトが曇る理由をご存知でしょうか。その根本原因は”紫外線”です。ひと昔前のヘッドライトはガラス製で、曇りや黄ばみは発生しませんでした。
人身事故時の歩行者保護やガラスの破片が道路に飛び散り復旧が遅れることを短縮する目的や、加工の自由度がガラスに比べて高くデザイナーの意図を製品に反映しやすい点なども相まってガラス製からポリカーボネイト等の樹脂製に変わりました。上記のメリットのトレードオフとして曇りや黄ばみというデメリットが発生するようになりました。
これらを長期間放置していると光量が足りず車検に通らない事もありますので、早急に対応し、新車時の輝きを取り戻しましょう。
曇ったヘッドライトの直し方
一般的にはレンズ表面を磨いてコーティングするやり方が主流ですが、直し方は金額毎に多々あります。高額な順に紹介します。
・ヘッドライトレンズのみを交換する(通称”殻割り”)(約4万円)
・耐水ペーパーで表面を削り、クリア塗装する(約3万円)
・耐水ペーパーで表面を削り、ヘッドライト黄ばみ除去スチーマーを使用する(約1万円)
(健康被害があるため、防毒マスクが必須)
・ヘッドライトクリーナーを使用して磨く(約5千円)
今回、私が選択したやり方はレンズのみの交換(通称”殻割り”)です。そこそこの金額で新品の状態を味わえます。
購入部品
今回の作業において購入・準備したものを順に紹介します。
【ヘッドライト レンズ単品】 ←S15 シルビアの場合、選択肢としてはこの製品一択かと思います。
・品名:WISESQUARE BEHRMAN HEADLIGHT REPAIR LENS KIT
【ブチルテープ】
・部品番号:KA460-00370
【温度計】
・メーカー:EMPEX
【家庭用ドライヤー】
・メーカー:パナソニック
・型番:EH-NE6B-PN
【フロアジャッキ】
・メーカー:MASADA
・型番:SJ-20AL 2TON ALUMI JACK
なお、フロアジャッキについては詳細の記事も公開しています。併せてご覧ください。
【馬】
・メーカー:リキマエダ
・型番:RD-200G リジッドラック 2TON
馬についても詳細記事を公開しています。併せてご覧ください。
作業紹介
以下の作業を順番に実施していきます。
・取り外す部品の中に『高電圧発生部位』があるため、バッテリーのマイナスターミナルを外します。
・ヘッドライトのコネクターを取り外す。
・車両をフロアジャッキ&馬を使用してジャッキアップする。
ジャッキアップについては徹底解説した記事を公開しています。作業前に必ずご覧ください。
・ホイールハウスの固定クリップ、ビスを外し、フェンダーの先端をマスキングテープで養生し
キズ防止した後にバンパーを外します。(フォグランプのコネクターも取り外します)
・ヘッドライト固定用のボルト4本を緩めてヘッドライトを車両から取り外します。
・殻割りする為にヘッドライトを加温します。
段ボールを使用するのが一般的ですが、私はたまたま捨てる予定だった衣装ケースが
ありましたのでそれを代用しました。出し入れが衣装ケースの方が楽ですのでおすすめです。
一般的に加温する際に使用される工具は工業用ドライヤーが多いですが、
温度が高くなりすぎてヘッドライトが箱の中で溶けるリスクもありますので、
家庭用のドライヤーがオススメです。また、温度管理が非常に重要ですので、
温度計を使用して60℃位をキープできるように調節しながら加温します。
・ヘッドライトのレンズを固定しているビスを緩めて、レンズを取り外します。
・ブチルゴムが強烈に固着している場合がありますのでドライヤーを直接当てて加温し、
ブチルゴムを柔らかくすることがポイントです。
間違っても力任せの作業は厳禁です。変形や割れが発生する可能性大です。
水密がNGだと雨の日にヘッドライトの中に水滴が入ってしまいますので、新しいレンズを取り付ける際はしっかりとブチルゴムを入れ、水が入らないようにします。
交換後レビュー
交換後の写真を紹介します。見違えるように綺麗になりました。
最後に
ヘッドランプが綺麗になるだけで”古臭さ”が一掃されます。今現在でもヘッドランプは交換後の綺麗な状態を保っており、約5年が経過しておりますが、水密の不具合も発生しておりません。とても満足度の高い作業かと思います。是非とも実施されてみてはいかがでしょうか。
ヘッドライト レンズ交換(殻割り)以外にもたくさんの整備記事を記載しています。是非ご覧くださいませ。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。車いじりの参考になれば幸いです。コメントやお問合せもお待ちしております。コメントは記事の最下段にある【コメントを書き込む】までお願いします。また、YouTubeも公開しています。併せてご覧頂き、”チャンネル登録”、”高評価”もよろしくお願いいたします。YouTubeリンクはこちら
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